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わかりにくい Power Apps のライセンス体系をわかりやすく解説

2025.5.27
Power Appsのライセンスをわかりやすく解説

Microsoft 365 に含まれる利用範囲とプレミアム機能に注意!

Power Apps は、Microsoft が提供するローコード開発プラットフォームであり、複雑なプログラミングを必要とせずに業務アプリや業務自動化を実現できます。しかし、そのライセンス体系はやや複雑で、使用できる機能やデータ容量、接続先などが利用形態によって異なります。

本記事では、IT に詳しくない方でも理解しやすいように、Power Apps のライセンス体系についてポイントを絞って解説します。

1. Power Apps の主なライセンス取得方法

Power Apps を利用するためのライセンスは、以下の3つのいずれかで提供されます。

(1)単独購入(スタンドアロンライセンス)

Power Apps を Microsoft 365 や他サービスと切り離して、個別にライセンス購入できます。利用形態に応じて主に以下の2種類があります:

  • Per App プラン:特定のアプリ・ポータルのみ利用(1ユーザーあたり1アプリまたは1ポータル)
  • Per User プラン:ユーザーが制限なく複数アプリを作成・利用可能

※プレミアムコネクタや Dataverse を利用したい場合はこの方法が必要です。

(2)Microsoft 365(旧 Office 365)に含まれる範囲

Microsoft 365 を契約している場合、一部の Power Apps 機能が「Power Apps for Microsoft 365」として利用可能です。主に以下の制約があります:

  • 利用できるデータソースは SharePoint、Excel、Outlook など一部に限られる
  • Dataverse やプレミアムコネクタの利用不可
  • 複雑な業務アプリの開発には不向き

※日常的な簡単なアプリ(例:社内アンケートやタスク管理)には十分対応できます。

(3)Dynamics 365 に含まれる範囲

Dynamics 365 の契約ユーザーは、Dynamics のライセンスに含まれる範囲で Power Apps の利用が可能です。特定の業務アプリ(営業支援、カスタマーサービス等)に関連するアプリケーションの拡張などが可能です。ただし、Dynamics 365 に関連しない用途で Power Apps を利用する場合は、追加ライセンスが必要となります。

2. Dataverse の利用とライセンス制限

Dataverse は Power Platform 全体で利用できる Microsoft のクラウドデータサービスです。業務データの構造化、アクセス制御、監査などに優れていますが、利用には以下の制限があります:

  • Microsoft 365 付属ライセンスでは Dataverse のフル機能の利用不可
  • 単独購入ライセンスまたは Dynamics 365 の一部プランで利用可能
  • データ容量はライセンスによって異なり、テナント単位で管理されます。
  • 通常、環境ごとに 1GB のデータベース容量と 1GB のファイル容量が含まれます。
  • 追加容量は 1GB 単位で購入可能です。

Dataverse は、Access に近い感覚で使える点もありますが、より高度なセキュリティやネットワーク経由での利用のスケーラビリティを備えた業務向けの基盤です。
Power Apps や Power Automate と密接に連携し、ビジネスアプリケーションの構築を強力にサポートします。

3. Power Apps で利用できる主要機能とその制限

Dataverse は Power Platform 全体で利用できる Microsoft のクラウドデータサービスです。業務データの構造化、アクセス制御、監査などに優れていますが、利用には以下の制限があります:

機能 利用可否と条件
Power Automate(ワークフロー) 基本的なトリガー・アクションは含まれる
RPA(UI フロー) 別途 Power Automate Premium ライセンスが必要
AI Builder AI Builder キャパシティ アドオンが必要
マネージド環境の利用 すべてのユーザーに対してフルライセンスが必要


4. 標準コネクタとプレミアムコネクタ

Power Apps では、外部サービスやデータベースと連携するための「コネクタ」が多数用意されています。

標準コネクタ(追加料金なし)

Microsoft 365 に含まれる範囲で利用可能。例:

  • SharePoint、Outlook、Excel(OneDrive)
  • Gmail、Twitter、Slack など一部外部サービス

プレミアムコネクタ(有料ライセンスが必要)

より高度な業務システムとの連携に必要。例:

  • Dataverse、SQL Server(オンプレミス / クラウド)
  • Azure SQL、Azure Blob Storage、Salesforce、SAP、DocuSign、Zendesk など

※Power Apps Premium ライセンス(例:Per User プラン)ではこれらが利用可能。
(2025年5月時点:Per User プランは月額約 20 USD)

5. まとめ

Power Apps のライセンス体系はやや複雑ですが、次のポイントを押さえておけば判断しやすくなります。

  • ライセンス形態は主に3種類:単独購入 / Microsoft 365 / Dynamics 365
  • 高度な機能(Dataverse、RPA、AI Builder)には追加ライセンスが必要
  • 外部システム連携は、標準コネクタとプレミアムコネクタで区分される
  • コストと利用目的に応じて、最適なライセンス選択が重要

ライセンスに迷ったら…

Microsoft 製品のライセンスは更新・変更が頻繁です。導入を検討される際は、最新情報を確認のうえ、専門パートナーと相談することをお勧めします。

弊社インフォースでは、Power Platform のライセンス設計・導入支援から、アプリ開発、ユーザー教育までトータルにサポートしております。お気軽にご相談ください。


(※当該記事の内容は掲載時点での情報に拠ります。)

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